物埋学上で体系化されている写真レンズについての光学理論は、像を結ぶための3つの理想条件をいかに満足させるかという方法論で成り立っているといっていい。その理想条件とは、1.点は点として結像すること。2.平面は平面として結像すること。3.像の形は物体に対して相似であること。この3つだ。これを満たした理想のレンズであれば被写体の像を完全に再現することができる。しかし、現実には、レンズの形が球面で作られていることから発生する間題、レンズがガラスを材科としていることから起る素材上の問題、さらに像を形成する光の種類がさまざまであること、つまり光の波長の違いによって起る問題、などから理想条件を満たすことが極めて困難とされている。一点に集まるべき光線(焦点)が一点に集まらず散らばってしまうことを収差というが、結果的にはこの収差の残り量が写真画像の良し悪しを決めてしまう。そこで、一般にいうレンズ牲能の良し悪しは収差を少なくする方向で結像の理想条件へどのくらいに近づけるかその度合いにあるということができる。 |